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【登山紀行】横岳 小同心クラック編

先日のお休みは八ヶ岳の横岳の小同心クラックを登ってきました。

今年から始まったSTATICBLOOMによる取り組み「MARS(Mountain Academy Redsigned by STATICBLOOM)」。その3月のMARSで大同心ルンゼを登った際に、STATICBLOOMの新名ガイドが「小同心クラックもオススメ。」と仰っていてそれ以降目標としていたルートの一つです。それ以来、小同心クラックを登るために5月のMARSでマルチピッチのシステムを学び、実践をして、ジムや岩場に行き練習を重ね、いざ目標のルートへ今回チャレンジしてきました。

Written by Shunpei

早朝に美濃戸を出発して北沢経由で赤岳鉱泉へ。
沢には轟々と水が流れ、あたりの苔が朝日を浴びて輝いていました。その綺麗さに癒やされ、どこか緊張していた体が少しほぐれました。

赤岳鉱泉から5分ほど進み、大同心沢へと登山道を逸れて樹林帯の急登を登ること約1時間、大同心の基部に到着です。

細かい岩がポコポコと浮き出たような八ヶ岳特有の岩場に目を凝らすと、大同心雲稜ルートを登っているクライマーを発見。

右を見ると今回の目的である小同心が聳え、そのかっこよさに思わず「おぉ…」と声を漏らします。少し進んで振り返ると見える大同心もとても格好良い…

そこから草付きを慎重にトラバースして、小同心クラックの取り付きに到着。

一息ついて装備を整えて登攀開始です。1ピッチ目の出だしは登りやすい階段状の岩場ですが、大きく安定してそうな岩でも触ってみるとグラグラしていて慎重に確かめながら進みます。

しばらくするとチムニーに入り込み10m程でテラスに到着。テラス手前は思い切りが必要で少し緊張しました。

終了点からは赤岳と阿弥陀岳がよく見えて爽快感抜群。

2ピッチ目は出っ張った岩を左から巻いて、右にトラバースしてチムニーへ。

1ピッチ目は緊張していたこともあり登るのに必死でしたが、徐々に楽しむ余裕ができてきました。チムニーは手足を大きく突っ張るように登ります。事前情報からの想定よりもあっという間でしたが、ホールドや足の置き場がいっぱいあって、グイグイと登れて楽しいピッチでした。

3ピッチ目は多少簡単になりますが、ここまで来るとかなり高度感がありとても気持ち良いです。

名残惜しくも登りきり、小同心の頭の3つある終了点のうちの真ん中でビレイしました。岩の切れ目から頭に到着した妻は柄にもなくフォーー!と叫んでいました。

頭からは硫黄岳、横岳、赤岳、阿弥陀岳に抱かれるような景色を独り占め。冬に登った大同心ルンゼの全容がよく分かります。

少し休憩した後は頭から横岳に繋がる稜線を歩き、山頂直下の岩場を登って横岳に登頂。山頂がゴールのため達成感もひとしお。

下山は稜線上のお花たちをひとしきり楽しみながら地蔵尾根経由で南沢へ。

行者小屋から小同心を眺めて、余韻に浸りながら帰路につきました。

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2025.7 横岳西壁 小同心クラック

美濃戸〜赤岳鉱泉〜小同心〜横岳〜地蔵の頭〜行者小屋〜美濃戸
11.9km
↑ ↓1200m
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====プチ宣伝====

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山に行くとぼんやりと考えることが、MARSに参加することでその挑戦の切符を手にすることができます。

クライミングや沢登り、雪山など、それらのアクティビティに対して、

・興味はあるけど難しそう、始め方がわからない
・我流でやっているけどきっちりと学びたい
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そんな皆様にぜひおすすめしたいプログラムです。

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https://eightdoor-chino.com/news/6855195563cfc3657514e7cb